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映画「はじまりのうた」を観てきました。

もう半年以上前から、主題歌 “Lost Stars” や映画の中の他の曲がYouTubeで流れていたこともあって、とても気になっている映画だったのですが、予感した通り、とてもいい映画でした。

この映画は、シンプルに恋愛映画として観ることもできるし、シンガー・ソングライターたちを描いた音楽映画として観ることもできます。また、観る側の意識によって、さまざまな位相から感じとれるものがたくさんある映画だと思いました。

観る側の意識レベルによってさまざまな意味合いを持つ、なんて言うと、まるでエメラルド・タブレットのようですが(笑)。

何年か前まで音楽を生業としていた私にとっては、映画の中にちりばめられたレコード会社やプロデューサー、アーティストやミュージシャンのちょっとしたやりとりの中に、音楽業界に長い間いて感じていたことをぴったりと表現している部分をいくつも見つけて、ちょっと複雑な気持ちになりました。

好きではじめた音楽が仕事となり、それで生活できることは最初の頃は大きなよろこびでしたが、いつしか音楽業界全体が音楽よりも経済を優先させるようになって行きました。インスピレーションや、心が震えるような何かを生み出そうとする情熱を築き上げたビジネスを守り、より大きなビジネスを求める意識が圧倒するようになり、その相反するふたつのエネルギーの中で、多くのアーティストたちが外側でも内側でも闘っている時代になって行ったことを私は感じています。

そして、この音楽業界の流れは、社会全体の縮図だと感じるのです。

私たちは、一番大切なことをいとも簡単に忘れて、経済を最優先させる社会をつくり上げてしまったのではないでしょうか。

その流れになって行った川底には、つねに怖れが潜んでいます。

食べるもの、着るもの、住むところは自分の力で確保せねばならない。それにはお金が必要だ。お金がなくなったらどうしよう。

この不安と心配、怖れをエサにして、今の経済社会の現状があります。

私たちは、宇宙を信頼することをどこかに置き忘れてきてしまったのかもしれません。

けれども、ここでこの映画のタイトルがハートに響きます。原題は “Begin Again”、もう一度はじめよう、なんです。

そう、私たちは、いつでも、どこからでも、もう一度はじめることができます。

不安や心配、怖れを一挙に振り落とすことができなくても、自分の内側で自分自身を阻んでいるものに、ひとつずつ光をあてることができます。

この世界は私たちの意識でつくられていますから、私たちひとりひとりがハートの中から自分の意識を認識し、変えて行くことで、世界はいやでも変わっちゃうのです。

そのことを改めて感じさせてくれた、深くて素敵な、音楽のスピリットあふれる映画でした。

映画「はじまりのうた」公式サイト

 

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