ドランヴァロのワークショップに参加するために何度もセドナに足を運び、ワーク中だけでなく、休憩タイムや毎日のワーク終了後にはドランヴァロの周りにみんな集まり、さまざまな話を聞かせてもらいましたが、ドランヴァロは時々謎めいたひと言を言うことがあります。
たいていは、ふと不思議なことを口にしたかと思うと、すぐに本題に戻ってしまいます。
ある時、ドランヴァロは「重力って愛なんだよね。」言うと、いたずらっ子のようにニコッと笑いました。
それだけで何の説明もなく、すぐ他の話になりましたが、私の中では「重力=愛」という方程式が強烈に胸に残り、いつかこの謎を解き明かしたい! と思ったことを覚えています。
とはいえ、セドナから帰ってきて日常生活に戻り、何だかんだと忙しくしている間に、そのことはすっかり忘れてしまいました(笑)
それからしばらくして、映画「インターステラー」を観た時、わお!という思いとともに、ドランヴァロのあの言葉を思い出したのです。
「インターステラー」は、2014年に公開されたクリストファー・ノーラン監督、マシュー・マコノヒー主演によるSF映画です。
この映画の特筆すべき部分として、徹底的ともいえる科学的な裏付けがなされていることがあります。
理論物理学者であり、天文物理学や重力波、時空間研究の権威であり、後にノーベル賞を受賞したキップ・ソーンをエグゼクティヴ・プロデューサーに迎え、ノーラン監督はすべてのディテールにおいて最先端の科学と矛盾しないように尽力していることが、メーキング・ビデオを観てもひしひしと伝わって来ます。
なのですが、このSF宇宙映画の焦点は、私たち人間、そして人類が超えていくべきものにあります。
私たちの現代科学がまだ理解していなくて、科学者だけではなく、スピリチュアルなことをやっている人たちも総じて、「とても知りたい!」と思っていることって何でしょう?
それは、時間と空間、そして重力についてではないでしょうか。
この映画も、私たちが時間や空間に縛られているのは、まだ重力のことを理解していないからなのだということを痛いほど表現しています。
すでに米国の軍部などでは、秘密裏に反重力を使った飛行物体を開発し、飛ばしているという情報もありますが、それはあくまでもこの物理的な次元においてそのようなテクノロジーを「利用」することが目的であり、この次元を人間が「超越」していくことをめざしているわけではありません。
純粋なる科学が、時間と空間、重力を超えて行こうとするとき、科学は、今までスピリチュアルとか哲学と呼ばれてきた分野とひとつに融合されて行くのかもしれません。
量子物理学の世界では、すでにそれが始まっています。
この映画の中では、重力を理解するためのヒントはアン・ハサウェイ扮する女性科学者であり宇宙飛行士の言葉にさりげなく隠されています。
「聞いて。
私は自分のハートの声に従いたいと思うの。
私たちは、あまりに長い間、理論的にこの問題を解こうとしてきたかもしれない。
愛は私が発明したものじゃない。
愛は観察可能なパワフルなもの。
愛には何かの意味がある。
まだ私たちが理解していない何らかの意味が。
愛は、私たちが感知できるところの、時間も空間も超えて行けるものなのよ。
それは、まだ私たちが想像できていない高次元のものなのかもしれない。
愛が何なのか、今は理解できないとしても、それは信頼する価値があるものだと思うの。」
その言葉は、その時はスルーされてしまうのですが、最後の最後にマシュー・マコノヒー扮する宇宙飛行士は、重力は愛であり、それは時空間を超えていけるものであることを驚くべき体験を通して理解することになります。
つまり、この映画もまた、ドランヴァロと同じように「重力って愛なんだよね」と言っているのです。
まだ人間はそれを証明していないかもしれないけれど、重力は次元を超えられる。
つまり、愛は次元を超えてどこまでもいけるものなのだと、この映画は私たちのハートにそっとささやきかけているのです。
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